一宮市神山の本田耳鼻咽喉科医院|耳鼻咽喉科、小児耳鼻咽喉科

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逆流性食道炎

逆流性食道炎

逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流し、食道が炎症を起こす病気です。

逆流性食道炎が起こるメカニズム

下部食道括約筋の働き

逆流性食道炎が起こるメカニズム

逆流性食道炎は、下部食道括約筋など食道を逆流から守る仕組みが弱まるか、胃酸が増えすぎることで、胃液や胃の内容物が逆流し、それが食道の中にしばらくとどまるために起こります。

下部食道括約筋は、食道と胃のつなぎ目(噴門部)にある筋肉で食べた物を飲み込む時には、ゆるんで食道から胃に食べ物が落ちるようにし、それ以外の時は、食道をしめて、胃の内容物が逆流しないようにしています。

逆流性食道炎は、下部食道括約筋など食道を逆流から守る仕組みが弱まるか、胃酸が増えすぎることで、胃液や胃の内容物が逆流し、それが食道の中にしばらくとどまるために起こります。

こんな症状が当てはまる方は逆流性食道炎の可能性があります!

逆流性食道炎の可能性があります
逆流性食道炎の可能性があります

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【出典】草野元康 臨床と研究 82巻2号379頁~382頁(2005)
M.Kusano et al.:J Gastroenterol.,39.888(2004)

高齢化や食生活の欧米化などにより、逆流性食道炎の患者さまが増えてきています。

食べ過ぎたり、早食いをしていませんか?

食べ過ぎたり、早食いしたあとは胃に過剰な力がかかるので、その力を減らすためにゲップとして空気を口に逃します。このとき、胃酸の逆流を防ぐ食道下部括約部がゆるくなるため、胃酸の逆流も起こりやすくなります。

脂っこいものが好きですか?

脂っこいものを摂取すると、胃酸の逆流を防ぐ食道下部括約部をゆるめるホルモンが分泌され、胃酸の逆流やゲップが起こりやすくなります。

飲酒や喫煙の習慣がありますか?

アルコールや喫煙も、胃酸の逆流に悪い影響を及ぼすと言われています。喫煙中に咳き込んだ場合におなかの圧力が上昇し、胃酸の逆流を引き起こす可能性もあります。

食べてすぐ横になることが多いですか?

胃酸が活発に分泌されているため、胃酸の逆流は食後に起こることが多いと言われています。食べてすぐに横になることで、逆流した胃酸が長時間食道内にとどまり、逆流性食道炎が起こりやすくなります。

肥満傾向にありますか?

肥満、特に内臓脂肪が蓄積する内臓肥満では、内臓脂肪で胃が圧迫されるため胃酸の逆流が起こりやすくなります。

腰が曲がっていますか?

おなか全体が圧迫されて、胃酸の逆流が起こりやすくなります。

ストレスの多い環境ですか?

自律神経のバランスを崩しやすくなり、胃酸の分泌が多くなったり、食道が過敏に反応するようになります。

逆流性食道炎を治療する主なおくすりとその作用

PPI(プロトンポンプ阻害薬)

PPIは、胃の壁細胞に存在する、胃酸を分泌するしくみの最終段階であるプロトンポンプに、結合することで、その働きを直接抑え、胃酸の分泌を抑制します。

H2ブロッカー(ヒスタミン受容体拮抗薬)

H2ブロッカーは、胃酸を分泌させる3つの化学物質のうち、ヒスタミンが受容体と結合することを防ぐことで、胃酸の分泌を抑制します。

生活習慣も見直しましょう!

  • 急がずに、ゆっくり食べる
  • 食べ過ぎないで、腹8分目 就寝前の食事は避ける
  • ベルトや帯、コルセットはゆるめにします。
  • タバコは唾液分泌も減らします。
  • 肥満や便秘をさけましょう。
  • 枕を高くする
  • 重いものなどを、持ち上げないように
  • 妊娠中は胃が圧迫されるので、注意が必要です。食事は一度にとらず、何回かに分けて食べましょう。
おすすめの食品
消化がよく、おなかにやさしい食品は、胃炎や胃潰瘍の人にも効果的。“逆流性食道炎になりやすい食生活と生活習慣”で予備軍に該当する人も、ぜひ参考にしてください。
<やわらかい主食>
おかゆ、パン、柔らかく煮たうどんなど
<脂の少ない肉や淡白な魚介類>
鶏ささ身、豚ヒレ肉、赤身のひき肉、かれい、たら、さわら、さけなど
<消化のよい野菜や酸味のない果物>
かぼちゃ、トマト、カリフラワー、大根、にんじん、白菜、小松菜、キャベツ、里芋、長芋、りんご、バナナ、もも、いちごなど
<消化のよい乳製品、豆製品>
牛乳、ヨーグルト、カッテージチーズ、豆腐、納豆など
調理法で工夫して食べたい食品
素材選びは大事ですが、調理によって消化をよくしたり、刺激を少なくすることで取り入れることができる食品もあります。
<脂の多い魚>
脂の多い皮を取ったり、腹身ではなく背身を選ぶことで、脂の多い魚もおなかにやさしく。焼いて脂を落とすのも◎。量を減らすなら、はんぺんや豆腐でかさ増しする手も。
あじ、いわし、さば、ぶり、まぐろのとろなど
<甲殻類>
水を加え、フードプロセッサーで柔らかなすり身にしてかたくり粉でつないだり、細かく刻めば消化もスムーズ。
えび、かになど
<食物繊維の多い野菜>
繊維を断ち切る、薄く切る、すりおろすなどでひと工夫。ごぼうは2~3mm厚さに切って、水にさらさず冷凍しておくと、火を通したときに柔らかく仕上がります。
セロリ、長ねぎ、チンゲンサイ、れんこん、ごぼうなど
<海藻>
水で戻すのではなく、水から入れて沸騰させ、ゆっくり4~5分間煮ると、柔らかくなるうえ、特有の磯臭さも抜けて一石二鳥!
わかめ、ひじきなど
<香辛料>
量は控えめに、を心がけて。しょうがは油に入れて香りだけを移したり、絞り汁を適量使うことで刺激を抑えられます。
しょうが、こしょうなど
控えたい食品
消化がよくないもの、胃酸の分泌を増やすもの、食道の粘膜を刺激する食品は控えましょう。
<消化のよくない野菜や果物>
セロリ、ごぼう、たけのこ、きのこ類、パイナップル、梨、柿など。
<刺激の強い香辛料や調味料>
とうがらし、酢、にんにく、カレー粉など。
<脂の多い肉>
豚バラ肉、豚ロース肉、牛カルビ肉、牛ひき肉など
<刺激の強い嗜好品や果物>
酒、炭酸飲料、コーヒー、酸度の高い柑橘類(夏みかん、レモン、ゆず)など
<魚介>
うなぎ、たこ、いか、貝類(あさり・はまぐり・しじみ)など
<甘いもの>
ケーキ、チョコレート、まんじゅうなど
<脂の多い加工品、およびその他の食品>
ベーコン、油揚げ、厚揚げ、がんもどき、こんにゃく、生卵、固ゆで卵など
<塩分の高い加工品>
干物、漬物、塩辛、つくだ煮など