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滲出性中耳炎
滲出性中耳炎について
1.どんな病気
鼓膜の内側の内耳に液体がたまり、鼓膜の動きが悪くなった状態
2.どんな時になる
(1)かぜをひいた時
・鼻水が多い、咳がでる。
・中耳炎になった時
かぜなどの炎症→鼻の奥→耳管→中耳へウイルス・細菌が入る
中耳炎を治さないと、中耳内の粘膜より滲出液の分泌が続き→滲出性中耳炎へ
(2)アデノイド、扁桃腺が大きい
(3)鼻水が多い、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎
鼻をすするとなりやすい。
3.症状
- きこえが悪くなる、耳がつまった感じ、耳鳴(ガサガサする)
→中耳にたまった液体などで鼓膜の振動が悪く音が伝わりにくくなる - 返事が遅い、テレビの音が大
- 集中力低下
4.治療
(1)鼻、喉の治療…鼻、喉が弱い子が多い。
(2)通気療法…鼻から耳へ空気を送る。
当院では、風船を使っており、小さい子でもできます。
(3)鼓膜切開・穿刺…小さな穴をあけ、たまった液を出す。
鼓膜はくり返し行っても心配ありません。
(4)チューブ挿入…なおりが悪い時は、鼓膜にチューブを入れます。
問題点:幼児、暴れる子は全身麻酔となる。
- チューブが入っていると、風呂、プールで、水が奥まで入ってしまう。
対策…耳栓をする。
深い潜水、飛びこみはしない
かぜ気味の時は風呂、プールはやめる。 - チューブは、1~2年入れたままとなる。
途中で抜けることがある(定期的通院必要)。
チューブがつまることがある。 - 長く入れておくと、鼓膜が硬くなったり、穴があいたままになる。
(5)アデノイド切除
アデノイドは、耳管の出口にあり、大きいと耳管をふさぐので切除する。
(6)飲み薬
カルボシステイン、溶液溶解剤…中耳の液体を出しやすくする。
マクロライド系抗菌剤…鼻水が多い時や鼻が悪い方によい。
漢方(柴苓湯)…たまった液体を減らす。
5.ふだんから気をつけること
1)痛みがなくなると、来院しなくなる方がいらっしゃいますが、多くは、急性中耳炎をきっかけになるので、中耳炎が治るまで治療が必要です。
2)かかりやすいきっかけは、かぜ、鼻炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎です。
鼻すすりはよくありません。
3)集団保育、家族のタバコも影響します。
(日本耳科学会の小児滲出性中耳炎診療ガイドラインを参考にしています)